就活のエントリーシート(ES)でアルバイトをアピールする方法とは?
ESのアルバイト歴、どう書くのが正解?
就職活動のESで、「アルバイト歴」を問われた経験がある方は多いのではないでしょうか。
学生時代のアルバイトは、基本的に”職歴”としてはカウントされないものです。
しかし、学生時代のアルバイトの経験は、社会に出た後に活かせる経験となることも多いものだと企業側は考えています。
そのため、ESの「アルバイト歴」は非常に必要な情報だというわけです。
しかし、「ESに書けるほど大したアルバイト歴がない」「自信を持って話せる内容かどうか不安だ」と思っている方もいらっしゃいますよね。
そこで本記事では、アルバイト歴を問われる目的や、ESに記載する上で注意すべきポイントについて、解説していきます。
ESのアルバイト歴はなぜ重要?
では、ESに「アルバイト歴」という項目があるのはなぜでしょうか。
アルバイト歴を記載する理由は、以下の3つです。
・社会経験の有無
・アルバイトの経験から得たものを知るため
・社風に合うかどうか
具体的に確認していきましょう。
社会経験の有無
一般的に、転職活動などでは「職務経歴」の欄から、一社会人としてどのように働いてきたかを読み取ります。
ですので、企業への就職経験がない新卒採用の学生の場合、職務経歴から社会経験の有無について、問うことができません。
しかし、学生のアルバイトは、「多かれ少なかれ対価(給料)を得て、社会のために働くという経験をした」ということになります。
すなわち、アルバイトでの経験は、「自分の仕事に責任を持ち働いた」経験だとみなされるのです。
社会人になる上で、一社会で責任を持って働いた経験の有無は、非常に重要な要素となります。
というのも、入社した後に「仕事に対する責任感が見られない」「学生気分が抜けていない」なんてことが起きてしまう恐れがあるからです。
そのため、採用企業側は、アルバイト歴から「社会に出て、しっかり働けるかどうか」を見るために、ESでアルバイト歴を問うわけです。
アルバイトの経験から得たものを知るため
採用企業側がアルバイト歴を聞く上で知りたいことは、単に「アルバイトをしたことがあるか・ないか」ではなく、「アルバイトの経験で何を得たか」。
例えば、接客業のアルバイトであれば「接客を通じて学んだこと」であったり、事務系のアルバイトであれば「業務を通じて得たスキル」であったり、少なからず社会に出てから活かせるものがあるはず。
採用企業側は、アルバイトの経験を通して学んだ・得たものや、働く上でのその人の価値観や人柄を知りたいと思っているわけです。
ESのアルバイト歴記載欄は、自己アピールのチャンスの場でもあります。
志望している業界や業種に合ったエピソードを、いくつか考えておくと良いでしょう。
社風に合うかどうか
前の項目でも説明したとおり、採用企業側はアルバイト経験を通して、その人の価値観や人柄を把握したいと考えている可能性があります。
例えば、アパレル業界志望の学生が衣料品店でアルバイトをしていたとなると、採用企業側も「この学生はアパレルについての基礎知識がありそうだ」「服が好きであれば、自社でも力を発揮できるかもしれない」と考えられますよね。
また、同じアパレル業界でも、”接客業”というくくりで見ると、飲食店アルバイトの学生の場合「飲食店の接客で培った能力が活かせるかもしれない」と、評価されることも。
たとえ業界が異なっていても、志望の業種になにかしらの共通点があれば、「この学生は社風に合っている」と評価され、選考において有利に働くケースがあるようです。
以上のことから、ESにアルバイト歴を記載することは非常に重要だと言えます。
自分が志望している業界や業種と、アルバイトで経験したことの関係を探し出し、エピソードを交えて記載すると良いでしょう。
ESでアルバイト歴を記載するときのポイント
それでは、実際にES上にアルバイト歴を記載するにあたって、何を注意したらよいのでしょうか。
ここからは、アルバイトの経験をしっかりとアピールするための書き方のコツ・ポイントについて、具体的に解説していきます。
具体的な表現を用いる
ESを記載するにあたって、「具体的・客観的な体験談やエピソードを用いる」のは重要なポイントの一つ。
以下、例文にて解説していきます。
【例文】
私は、大学に入学して以来、塾講師のアルバイトを続けています。
宿題をやらない生徒に対しては、まず興味を持ってくれるような題材を用いてオリジナルの問題を作成するなど、工夫しました。
その結果、テストの平均点数が20点も上がり、無事に志望校に合格させることができました。
はじめは個別指導のみの業務でしたが、生徒からの評価の高さを塾長にも認められ、今では集団授業も任されています。
「先生のおかげで勉強が楽しくなった」と言ってもらえた喜びは、何事にも変え難い経験です。
この例文は、テストの平均点数を具体的に記載していることで、わかりやすい文章となっている上、成果を数値で表記していることで、より真実味を持たせる内容になっていますよね。
また、生徒や塾長からの客観的な評価から、今の自分がどのような立場であるかを明記することで、さらなる説得力強化へとつなげています。
ESという限られたスペースの中でアルバイト経験を説明するためには、自分が取り組んだ内容や成果について、一目でわかるようにするのが必須です。
そのためには、「売り上げが上がった」「店長から業務内容を褒められた」などという抽象的な表現ではなく、「売り上げが○%上がった」「店長から接客に対する姿勢を見込まれ、今ではバイトリーダーとして約30名のアルバイトスタッフをまとめている」というように、具体的な表現を用いるとよいでしょう。
アルバイトの経験から何を得たのか・学んだのかを盛り込む
アルバイト歴から採用担当者が知りたいことは、「アルバイトの経験から何を得たのか・何を学んだのか」です。
単に「○○で○年間勤務・○○業務を担当」と記載するだけでは、前述したように”アルバイト経験から得たものを知る”ことができませんよね。
ですから、「アルバイトでの経験を通してどんなことを得たのか」や「どんなことを学んだのか」を、簡潔にわかりやすく記載するようにしましょう。
例えば、「働いている上で起きた問題に対して、どのように対処したのか」や、「問題に対処していくなかで、何を学んだのか」などです。
「これまで特に大きな問題がなかった」という人は、「アルバイトをする上で何に気を付けていたか」「働く上で自分が頑張ったこと」について、考えてみてください。
そこから、「今後社会人になったときに、アルバイト経験から何が生かせるのか」や、「自分のアピールしたいポイント」につなげて、記載できるとよいでしょう。
アルバイト経験がない場合、何を記載すればいい?
学生の中には、「これまで一度もアルバイトをしたことがない」という人もいらっしゃるのではないでしょうか。
高校生の場合は「アルバイトを禁止されていた」というケースもありますし、専門学校や大学に通っている人で「学業や部活が忙しくてアルバイトができなかった」という人もいらっしゃいますよね。
「アルバイト経験がない」こと自体が、マイナス評価を与えることは、一般的にほぼないと言っても差し支えないでしょう。
しかし、「アルバイトをしていなかった代わりに、何をしていたのか」は、面接でも問われるかもしれません。
ですので、もしアルバイト経験がない場合、ESのアルバイト歴には「特になし」と一言だけ記載するのではなく、他に学生時代で頑張ったことや取り組んだことについて記載しておくと、採用担当者側にも好印象を与えるはずです。
業種によっては記載しないほうがいいケースもある
アルバイトの中でも、法に触れるものを記載してはいけないのはもちろんですが、法に触れなくとも、水商売や反社会的な内容のアルバイトについては、記載するのを避けたほうがよいでしょう。
かと言って、嘘の内容を記載することは、当然NGです。
ほかにアルバイトを掛け持ちしていたのであればそちらを、もしそうでない場合は、アルバイト以外に学生時代に力を入れていたことについて記載するのも一つの手です。
全ての業種において避けたほうがいいというわけではありませんが、特に真面目さ・堅実さを求めるような企業であればこれらのアルバイトはマイナスなイメージを与えてしまう可能性が大いにあります。
ですので、そのようなケースではアルバイトではなく、別の題材でアピールできるようにするとよいでしょう。
会社名や店舗名は明記せず、略称も使わない
アルバイト歴を記載するにあたって、アルバイト先の会社名や店舗名は記載しないほうが無難です。
というのも、志望している企業が、アルバイト先の競合他社である可能性があったり、「守秘義務や情報漏洩に対する意識が低いのではないか」と思われたりしてしまう可能性があるからです。
ですので、「○○不動産にて事務のアルバイト」「○○スーパー・○○店にてレジ担当」ではなく、「不動産会社にて事務のアルバイト」「スーパーマーケットでのレジ担当」など、何をしていたのかが端的にわかる文章で記載するとよいでしょう。
また、これはアルバイト歴の項目に限ったことではないですが、「ファミレス」「コンビニ」「バイト」などの略称を使わず、正式名称で記載すること。
普段、略称を使いがちな言葉は多いので、ESを記載する際にはしっかりと見直しをすることが大切です。
また、常に略称かそうでないかを意識しておくと、面接の際にも正しい言葉で伝えることができますよ。
就活のエントリーシート(ES)でアルバイトをアピールする方法まとめ
今回は、就活のエントリーシート(ES)でアルバイトをアピールする方法や、注意点について解説してきましたが、いかがでしたか?
アルバイト歴をなんとなくで記載してしまうと、アルバイトで培った力をアピールするチャンスを逃してしまう可能性があります。
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